データセンター移行
お客様
株式会社IDOM(以下、IDOM / 旧社名:株式会社ガリバーインターナショナル)は日本の中古車販売のリーディング会社です。ショールームおよびトラベルアセスメントセンターにて中古車を販売しており、1週間或いは2週間が経っても販売されなかった中古車はオークションで販売されます。急成長を遂げている当該事業は2013年に世界で420店舗を所有し、2018年に1600店舗(日本に800店舗、海外に800店舗)に増えると予想されます。IDOMは1994年に設立され、日本とアメリカの両国で運営されています。
課題
急成長を遂げているIDOMは、既存の非効率的なオンプレミスインフラに悩まされていました。具体的には、システムの高コストと低パフォーマンスに苦しんでおり、また、いくつかの重要なサーバーは最大容量に達し、壊れていました。
そこで、IDOMは、保守・運用コストを節約しながら、より良いパフォーマンス、高可用性、アクセシビリティを得るために、内部システムおよび外部システム両方のクラウド移行を希望しました。もっとも、移行作業は、高速かつ信頼性が高い(ゼロダウンタイム)ものであり、予算内で行わなければなりませんでした。110台以上のサーバーと22個のサブシステム上で実行されていた多数のアプリケーションについて、大規模なデータサイズを格納できるクラウド環境への反復可能なアセスメントと移行プロセスが必要でした。
AWSのメリット
AWSパートナーネットワーク(APN)のアドバンスドコンサルティングパートナーであるFPTソフトウェアの支援により、IDOMはAWSの利点に着目し、一番適切なインフラソリューションとしてAWSを選択しました。優れたAWSネットワークインフラのおかげで、IDOMはAWS Direct ConnectによってAWSデータセンターから顧客のデータセンターへ接続できるようになりました。そして、Amazonクラウドの開放性および適応性によって、複雑なIT課題に対する適切なソリューションを見つけることができました。IDOMが以前AWSの環境で操作しており、このことがAWSへの統合を後押ししました。
FPTソフトウェアは、環境評価、技術設計、アプリケーションとデータの移行、クラウド化の展開と保守を担当し、4つのステップにおいて以下のソリューションをアプローチしました。
ステップ1:IDOMのデータセンターでホストされている現在のシステムを調査し、Microsoft、SunOSおよびLinuxといったOSで動いている.NET、JavaおよびPHPの様々な技術を利用するアプリフレームワークを探しました。複雑なデータベースおよびデータシステムはオンプレミスで110台以上のサーバーと22個のサブシステムに含まれていました。
ステップ2:IDOMの様々なアプリを分析し、3つのカテゴリに分けました。
- “簡易な移動”軽微な統合または再構成により仮想マシンに迅速に移動することができる内部用アプリやレガシーアプリといったアプリは、AWS環境にリホストされました。
- “ウェブアプリ”はオートスケーリング、Amazon シンプルストレージサービス(S3)或いは Amazon シンプルキューサービス(SQS)をレバレッジするために再構成され、既存のコンピュータコードの再構築でリファクタリングすることができました。
- クラウド向けに最適化:複雑なアプリケーションであったため、より良い性能およびコスト効率を確保するために、AWS プラットフォームおよび Amazon リレーショナルデータベースサービス(RDS)へ移行する前にアップデートおよび標準化する必要がありました。
ステップ3では、IDOMおよびFPTソフトウェアは、豊富な経験に基づいて、総合的なアプリケーションとインテリジェントなデータ移行プロセスを設計しました。このプロセスにおいてはインフラプロビジョニングから最適化までの全工程で、クラウドプラットフォームの最善の方法を活用して行われました。Amazon RDSとAmazon エラスティックブロックストア (EBS)を含む様々なAWSストレージタイプは、新しいクラウド環境での適応性と確実性を確保するために使用されました。IDOMは、より良いパフォーマンスおよびより高い耐障害性を得るために、自社のアプリにAmazonエラスティックロードバランシングを使用しています。
- ステップ4:独自のフェールオーバークラスタリング機構は、システムが故障もしくはダウンタイムの場合にバックアップサーバー上で動作できるように設計されました。FPTソフトウェアは、データ移行スクリプトを作成し、アプリコードをリファクタリングせずに適切に統合するために全てのサブシステムを手動で再構成しました。
メリット
IDOMは最初の段階においていくつかの成果を得ることができました。AWSのインフラでは、新システムはダウンタイムすることなくうまく動いており、その性能は著しく向上しています。また、重大なオンプレミス容量過剰の課題が解決され、保守コストとインフラコストが相当程度削減されています。新しいクラウドベースのインフラは今注目を集める成長企業のIDOMと共に成長することができます。