Hackett Group社はワールドクラスのIT企業とは他の企業よりも高いテクノロジーを提供し、生産性を向上させコストを削減し、デジタル変革をより可能とさせた企業として定義しました。(参照:https://www.cio.com/article/2381161/is-your-it-organization-world-class-.html)あなたの所属している企業はこのワールドクラスの企業に該当しているでしょうか?FPTコーポレーションデジタル変革事業最高顧問のフォン・チャム(元デュポン社CIO)はワールドクラスの企業の条件に関して次のように述べます。「デジタルの世界において、比類のないデジタル変革とワールドクラスのIT能力がなければ、どのような企業もワールドクラスになることはできません。」

 

 

フォン・チャムはデュポン社の元最高情報責任者(CIO)であり、現在はワシントンを拠点とするテクノロジービジネスマネジメントカウンシル(Technology Business Management Council)、AT&Tエグゼクティブカスタマーアドバイザリーボード(AT&T Executive Customer Advisory Board)、DELL EMC CIO アドバイザリーボード(Dell-EMC CIO Advisory Board)、セールスフォースCIOアドバイザリーボードおよびリサーチボード(Salesforce CIO Advisory Board and Research Board)を務めています。彼のワールドクラスの企業におけるデジタル変革をマネージメントした何十年もの経験を2019年4月にFPT主催で行われたグローバルDXサミットでの基調講演にて、参加した企業のリーダーたちに共有しました。

フォン・チャムは重要なポイントとして次の3点を述べました。

1点目は、データ活用に関することです。「デュポン社は約6年前にワールドクラスのIT企業になることを目指しました。これに対し私は最初に、今までデュポン社において保持したデータをデジタル変革に取り組むための準備としてデータを整理しました。急激に変化する世界で、本当に重要なことはシステム統合に関することではありません。それらは後に行われることです。基幹システム、ERP、CRM、さらにデスクトップであろうとも、異なるインプットからのデータを集約させることから始めなければなりません。ワールドクラスの企業となるためには、ほぼリアルタイムで集約したデータを活用するための体制を整える必要があります。」

2点目は、ERPの効率化です。これはERPランドスケープの環境を最適化させながら、ビジネスに対し価値をもたらすことを意味します。「顧客のニーズから最も遠いものに焦点を当てます。これは驚くべきことですが、最大限の効果を引き出すことになります。」

3点目は、システムの改修です。「従来のシステムをマイクロサービスコンポーネントに移行します。従来のシステムを刷新することにより、ITコストを大幅に削減できます。これはあなたたちの企業において400万ドルのITシステムが、4億ドルの利益を生み出す価値と同等のことです。」

1990年代当時、フォン・チャムは、デュポン社を時流に染まらない企業として先導し、何百ものLotus Notesアプリケーション、コラボレーション環境およびリポジトリに取って代わる社内アプリケーションとしてWindows 365を導入しました。フォン・チャムの明確なデジタル化シームレス戦略は、わずか3年でITコストを数十億ドルまで削減しました。従来のシステムで導入されていた6,000ものアプリケーションを1,100アプリケーションにまで削減し、その結果、資本投資の60%の還元を達成しました。

また、フォン・チャムはワールドクラスになろうとする企業におけるCIOの役割を強調しました。「CIOには2つのタイプがあります。1つ目のタイプは、戦略の卓越性、コスト削減、効率性、レスポンスタイム、そして優れたサプライチェーンを実現するCIOです。2つ目のタイプは、デジタル変革や収益の拡大を推進し、また実際に新しいビジネスモデルを開発するCIOです。新たな時代には、この両方の資質を持つCIOが求められます。」