2018年10月14日、日越外交関係樹立45周年記念(1973年~2018年)の一連の事業の一環として、FPTコーポレーションはハノイにあるFPT本社ビル内に、ベトナム初の日本式茶室をオープンしました。

茶道裏千家により寄贈された茶室には、ハノイとその近郊に住む茶道を愛するベトナム人と日本人の橋渡しとなり、両国の文化交流を推進していくという願いが込められています。

 

 

オープニングセレモニーには、FPTコーポレーション会長チュオン・ザー・ビンをはじめ、レ・カ・フュー元共産党書記長、元駐日ベトナム大使、茶道裏千家淡交会同好会副会長であるグエン・フー・ビン氏、麻妻信一日本国大使館公使と茶道裏千家淡交会同好会の会員らが出席しました。さらに、イベントには、利休居士第15代の前家元である鵬雲斎 千 玄室氏も出席されました。鵬雲斎 千 玄室氏は、国際連合事務総長、ロシア、中国、アメリカ、フランス、ドイツなどの国家元首といった60ヵ国以上の各国の重鎮に茶道を紹介した人物であり、茶人として初めて文化功労者国家顕彰、日本の文化勲章を受章した人物でもあります。

 

 

茶室は、ハノイ裏千家淡交会の会員が定期的に集う場所となり、裏千家協会の方針に即して運営されます。FPTの従業員やFPT大学の学生らが、日本の文化を学び、体験する場となるほか、茶道を愛する在留邦人同士をつなげる場として利用されます。

ビンは次のように述べました。「20年前、多くの日本の友人のおかげで、FPTは日本にソフトウェアを輸出するベトナム企業として先陣を切ることができました。20年間にわたる日本での事業展開において、FPTはベトナムを日本企業から選ばれるソフトウェアアウトソーシングベンダー国とし、日越両国の関係を深めることにも大きく貢献してきました。茶室を寄贈したことにより、茶道裏千家同好会とFPTはともに、日本の特徴的で典型的な儀式である茶道を介し、ベトナム人、特にITエンジニアが日本文化を深く学ぶことのできる空間を作り、そして両国間の協力をさらに強化したいと考えています。」

 

 

鵬雲斎 千 玄室氏は、「FPTは、ベトナムにおける優秀な企業の一つだと評し、今後、FPTがより発展し、ベトナムに貢献することを期待している」と、FPTがこの茶室をオープンしたことに対し、感謝の意を示しました。さらに、「この茶室が、清白と平和をもたらし両国間の発展と文化交流に役立ちますようにと願いを込めて、『円徳庵』と名付けます」と語りました。
今後、裏千家協会は、3年間にわたり、日越の親善と相互理解向上のためにベトナムに茶人を派遣する予定です。

 

 

茶道は日本で12世紀にはじまり、16世紀末、千利休により完成されました。19世紀初め、つまり江戸時代末期に大衆にも広まり、お茶を飲むことが日本全国に浸透しました。
「和敬清寂」という文字の中には、すべてのお茶の心がこめられていると言われています。

「和(わ)」:お互いに心を開いて仲良くする
「敬(けい)」:尊敬の敬で、お互いに敬いあう
「清(せい)」:清らかという意味だが、目に見えるだけでなく、心の中も清らかである
「寂(じゃく)」:どんなときにも動じない

裏千家は、茶道諸流派の中で最大の流派の一つであり、日本の茶道人口の半分を占めるとことで知られています。他にも主な流派として表千家と武者小路千家があります。

 

 

ハノイ茶道裏千家淡交会同好会は、2015年10月に設立され、日本最大の茶道裏千家協会の第109番目の海外の協会となりました。2018年10月現在の会員数は45名(日本人:34名、ベトナム人:11名)です。同好会の活動は「茶道を極め、広げる」、また、「茶道を介し、日越文化交流を推進する」ことです。会員は毎月5回ほど集い、さらに、さまざまな活動にも参加しています。