お客様

お客様は、メディア業界で最も広範な国際的テレビ事業の1つを運営し、世界を鼓舞するように設計された高品質のコンテンツを配信する大手メディア企業です。

要求仕様

お客様はワンストップソリューションを提供できるオフショアパートナーを求めていました。目的は、マルチメディア資産をマスメディアに公開する前の取込、共有、バージョン管理プロセスの管理を技術的知識が不十分なユーザでも容易に実施できるようにすることです。本システムでは以下の機能を提供する必要があります。

  • 自動化されたテンプレート
  • 既存のデジタル資産管理との統合機能

・技術的知識が不十分なユーザがコンテンツを作成し、編集することができるようなWYSIWYG(What You See Is What You Getの省略)という編集ツール

・単一のコンテンツに対する複数のバージョンを追跡・管理する機能

・コンテンツへのアクセスをサポートするためのコンテンツプレビュー機能とリポジトリへのコンテンツ公開機能

・記事掲載のワークフロー

  • 複数のプラットフォーム(WEB、PDA、モバイルとインタラクティブテレビ)へのサポート機能
  • 保守段階では、作成時間を短縮するために、リリースされた成果物に対しての回帰テストを自動的に実施する仕組みが必要

課題

膨大なデータベースを取得し、効率を改善するためにそれらを再成形する作業は困難な仕事でした。FPTソフトウェアは以下のように認識していました。

  • 要求仕様が不明確。
  • 構築するシステムは複雑で細かく分かれている。
  • プロジェクトにおけるコミュニケーションを強化することが必要。
  • プロジェクトのスケジュールが厳しく、大規模なプロジェクトチームを編成することが必要。

ソリューション

時間がコスト削減と同様に重要であるため、FPTソフトウェアはオンサイト-オフショアモデルで運用し、18人の体制で10ヶ月以内にプロジェクトを完了できるようにしました。要件だけでなく、業務担当者(コンテンツ制作者、プロセス管理者、IT部門など)の強みを研究するために、ビジネスアナリストチームが1ヶ月現場に出向き研究しました。現場での研究完了後、その知識をプロジェクトチームに展開し、設計、コーディングとテストの範囲を確定します。

FPTソフトウェアチームは、SunのSolaris2.9サーバ上のシステムを開発するために、IBMのWebSphere 5.0、Oracle 9iおよびTEAMS 5.0を使用したエンドツーエンドのコンテンツ管理システムソリューションを提供します。

新しい実施モデルの目的は、オフショアでの開発・テストと、オンサイトでの設計、承認テストとのライフサイクルステージ間の自然な関連性を利用します。本モデルは、お客様と合意の上で構築され、成果物を迅速に納品し、統合の利点を得ることを目的としました。

会議は安全で信頼性の高い通信リンクを介して行います。具体的には、プロジェクトの進捗状況を監視し、リスクを軽減するためのプロジェクト管理会議及び、要求仕様やソリューションなどに関する技術管理会議です。

承認テスト完了後の3ヶ月間は、FPTソフトウェアチームがお客様側での展開と保守をサポートします。

要求された自動化テストについて、FPTはWATIR(Web Application Testing in Rubyの省略)を使用することにしました。

メリット

・技術者の人数及びコストが削減できました。

・非技術者が自身で作業できるようになりました。さらに、公開されたものや公共のサイトへ展開するタイミングを完全に制御できるようになりました。

・自動掲載プロセスによりすべてのマルチメディアアセットの形式とスタイルが同一になりました。

・ボトルネックを軽減するために、サイトのコンテンツのメンテナンスを分散しました。

プロジェクトにおけるWATIRのアプリケーションについて、

強み:

・プロジェクトのテストケースの70%はWATIRでカバーできました。

・リリースされた成果物に対する回帰テスト時間は1週間に短縮できました。(以前は3週間かかりました)。テストスクリプトは、お客様側での承認テストで再使用することができるので、プロジェクト実施時間が短縮できました。

・テスト期間を短縮することにより、テスト・バグ対応への時間及びリリースにおける重要なケースに割く時間が増え、品質が向上しました。

弱み:

・テスター向けのRuby教育を実施しなければなりませんでした。

・最初の段階では、Rubyのテストスクリプトを作成するにはコストがかかりました。(しかし、作成したスクリプトが再利用されるとコスト・時間が節約できます。また、テスト実施時間・工数も低減できます)

・Rubyは一部のUIコントロールをサポートせず、IEブラウザしかサポートしません。また、テキストの長さが制限されます。

使用した技術:

  • J2EE、Oracle 9.2.0.2、Sun Solaris 9、TEAMS 5.0
  • HTML、Java、JSP、JavaScript、XML、JSLT 1.0
  • Struts、IBM WebSphere 5.0 studio、VSS、ErWin 4.0
  • Ruby、WATIR