デジタル変革の課題は、人々の考え方を変えることから、適切なツール選択まで、多岐にわたります。しかし、FPTデジタル変革事業最高顧問であるフォン・チャムは、先般開催された管理職向けワークショップにおいて、デジタル変革の最大の課題について取り上げています。それは、全体でコンセンサスを得ることがもっとも重要であると語っています。

「各リーダーは、各人がそれぞれ個々のリーダーですが、重要なことは、個々のリーダーではなく、デジタル変革を支援するCレベルのエグゼクティブが統合されたワンチームです。」と、チャムは言います。

以前デュポンの最高情報責任者(CIO)であったチャムは、現在FPTのデジタル変革事業最高顧問として活動しています。さらに、ワシントンに本拠を置くテクノロジービジネスマネジメントカウンシル(Technology Business Management Council)、AT&Tエグゼクティブカスタマーアドバイザリーボード(AT&T Executive Customer Advisory Board)、DELL EMC CIO アドバイザリーボード(Dell-EMC CIO Advisory Board)、セールスフォースCIOアドバイザリーボードおよびリサーチボード(Salesforce CIO Advisory Board and Research Board)も務めています。

「デジタル変革は、どこからどこへむかうのかが大切です。今どこにいて、どこに行きたいのかというリーダーのコンセンサスがなくては、何もすることができないのです。」と、チャムは主張します。

チャムが指摘する点は、彼だけが主張しているものではなく、最近発刊されたハーバードビジネスレビューのレポートと一致しています。このレポートでは、目標に関するトップマネジメントの意見の相違が、デジタル変革の失敗の最大の理由であることを示唆しています。さらに目標とゴールまでの手段を明確に理解していなければ、ビジネスのすべての要素が同じページ上にあることを確認することは困難だとも書かれています。

チャムは、デジタル変革におけるリーダーシップの鍵として、部門を超えたプロセス管理、人材エンゲージメント、顧客中心主義についても指摘しました。変革したい場合は、商談から注文、サービスデリバリー、支払い管理まで、部門を超えてプロセスをデジタル化する必要があるといいます。また、管理職向けワークショップの最後に、チャムは、次のように述べています。「リーダーシップの役割は、従業員が他の誰でもなく、顧客のためだけに働くようになることです。テクノロジー、人材、リーダーシップを活用できれば、完全に変革することが可能なのです。」

 

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