世界中のビジネスリーダーたちはデジタル変革(DX)への取り組みを既に始めています。最新のIDCのレポート(参照:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=IDC_P32575)によると、グローバルでのデジタル変革における支出は2019年に1兆18,000億ドルに達すると推定されており、これは昨年比17.9%の大幅な増加となります。しかし、「デジタル変革」を実現させ成功させるためには、企業は何から着手すべきでしょうか。

 

2月末ハノイで開催された、ベトナムのトップエグゼクティブが集まる場において、FPTコーポレーション デジタル変革事業最高顧問 であるフォン・チャム(元 デュポン社CIO)は、「デジタル変革を成功させるには、”THINK BIG, START SMALL”(大きく考え、小さく行動する)かつ可能な限り早くスケールさせる必要がある」と述べました。

そして、「大きなビジョンから、あなたが1週間、1か月、四半期内で行えるようなより小さなタスクにブレークダウンさせる。次のステップでは、デジタル変革サービスプロバイダーを探す。それらがデジタル変革を成功させる最初のステップである。」と説明しました。

また、初めてデジタル変革を取り組む際に、企業が優先して実行すべき項目として、5つの項目を推奨しています。

  • 実現可能かつ、3か月から6か月という短期間で成果が出やすいもの
  • 社内の全組織から総括的に評価しやすいもの
  • 自社における社内業務
  • デジタル変革を実現した際に、業務担当者から納得感が得られるもの
  • 最新のテクノロジーに関するもの

フォン・チャムがデュポン社にいてCIO職に従事していた際に、当時離職率が30%以上を占めていたインドブランチにおいて、デジタル変革を実現することにより、3か月以内に離職率は3%を下回りました。彼のアプローチがインドにおいて成功したことをきっかけとして、アメリカでもデジタル変革の取り組みが採用され、他の地域にも拡大されていきました。

さらに、デジタル変革を実施する際に、企業内において起こる構造的な変化に関して、フォン・チャムは自身のデュポン社における経験を踏まえて、次のように述べました。

「最初の変化は役員会でした。デジタル変革の全ては技術に基づいているため、技術を理解する誰かの存在が必要でした。そのため、デジタル変革を行うための組織は、デジタル化を強く推奨するリーダー、CIO、および企業改革を推進するようなメンバーを含むように構成されました。」

 

1989年にデュポン社に入社したフォン・チャムは、オーストラリアのシドニーでオペレーションマネージャーを担当し、以来、30年近くデュポン社にてさまざまな役割を担ってきました。その後、1997年にデュポン社が世界で20か国にEコマースを展開する前に、ブラジルとシンガポールにおいてEコマースを最初に導入し、顧客サービスの改善やオーダーフルフィルメントサイクルを80%短縮しました。 さらに、サイエンス企業であるデュポン社がフォーチュン500にランクインされることに対する大きな貢献やデジタル変革への独自アプローチで、数十億ドルのコスト削減を実現するなど、さまざまな実績を残しています。 そして2019年、FPTコーポレーション デジタル変革事業最高顧問として新たな役割を引き受けました。