トップコミットメント

『サステイナビリティ・レポート2021』トップメッセージ

アジアをリードするIT企業として果たすべき使命をまっとうしていきます

さらなる業務変革と新規事業への挑戦

FPTジャパンホールディングス(以下FJP)は、ソフトウエア開発の分野で、勤勉かつ柔軟性に富み技術力にも優れたベトナム人の若者に活躍の場を提供するとともに、原価高に悩む日本企業の発展に寄与すべく、中国に次ぐオフショア開発を主幹事業とするFPTソフトウエアの日本法人として2005年に設立しました。当初は、基礎技術に優れる一方で日本語力に課題を抱える従業員も少なくなく、仕様書の読解やお客様との会話といった場面で苦労が絶えませんでした。それから16年、従業員一同、持ち前の勤勉さと柔軟性、人柄の良さや親日性を土台に努力を重ね、日本有数のソフトウエア企業へと成長を遂げました。

 日本のソフトウエア市場では、いまや定まったフォーマットばかりを開発・上市していたのでは通用せず、さらなる業務変革や新規事業への挑戦が求められています。変化のめまぐるしい時代だからこそ、FJPは培ってきたノウハウや技術を最大限に活用し、AI、大容量データ分析、ネットワーク技術などの先端技術を強化する一方で、お客様と一緒に規格から考え、従来通りコスト効率が良く、質の高い製品を開発できる体制の構築に尽力してきました。世界が新型コロナウイルス禍に喘いだ2020年度の業績において、前年比10%増となる売上高240億円を達成できたのは、確固たる経営方針の賜物です。

 引き続き2021年度も、「営業力の一層の強化」と「ソフト開発プロセス範囲の拡大」、「DXを中心としたコンサルテーション部隊の実戦化」に取り組みつつ、お客様との相互コミュニケーションを重視していきます。そのうえで、「仕様の早期凍結」と「アジャイル開発の拡大」を推進することで、お客様のニーズにいち早く応え、前年度比30%アップの売上高300億円を目指します。

開発プロセス拡充を成長戦略の基盤に

顧客ニーズに沿ったソフトウエアを、高品質かつリーズナブルな価格で、早期に提供する。FJPが掲げるそれら基本姿勢を貫きつつ目標を達成するには、開発プロセスの拡充が不可欠です。

 例えば、AI、ロボット、自動運転などの分野では、すでにベトナム人エンジニアたちの優れた技術を活かしてパッケージでの開発、新しい事業への応用を進めています。また、これまでに開発した11種類のコンポーネントからなるソフトウエア「AKA」シリーズの実用化も視野に入りつつあります。

 これらの実現に向け、他社とのアライアンス強化を積極的に進めながら、本国ベトナムのFPTソフトウエアとも密に連携し、全社一体で早期開発と技術習得に励んでいきます。

社内外で責任を果たしていくために

企業としてさらなる前進を遂げるべく、社内改革にも注力しています。昨今は、「女性の働きやすさと比率の拡大」と「ダイバーシティの進展」を重点目標に掲げ、種々の施策に取り組んでいます。

 男女平等が進んでいるベトナムでも、企業のマネジメント層の男女比には大きな差があります。子育てを女性にばかり任せる既存の雰囲気を一掃するなど、女性がより働きやすい環境作りに努め、2030年までに女性マネジャーの比率を男性と同水準まで高めていきます。

 併せて、日本人をはじめとした外国人従業員の雇用も促進していく考えです。ベトナム最大のIT企業の日本法人として、両国の懸け橋となるためにも、2030年までにベトナム人との比率「50%対50%」を実現し、多様で魅力溢れる職場へと変革していきます。日本語学校を充実させてベトナム人従業員の日本語教育を強化するなど、日本で事業展開するうえで必須となる土台を固めつつ、さらなるダイバーシティの進展を図ってまいります。

 社内基盤の強靭化に向け、働き方改革も推進しています。過重労働ゼロに向け、部長会で全従業員の勤務状況を月ごとにチェックし、労働時間が平準化されるよう監視体制を整えたのもその一環です。また、より風通しの良い職場の実現へ、今期より上長との「One to One meeting」を実施しています。

 他にも、SDGsの社内展開について各部でテーマを定めて研修会等で議論し、部長会でその成果をフォローするなど、持続的な成長に向けた取り組みを強化しています。社外に対しても、地域を中心とした環境に配慮し、全国9か所で展開する事業所が近隣自治体と連携し、社会的責任を果たしていく所存です

世界を視野に入れた事業展開

日本の厳しいお客様に揉まれ、FJPはソフトウエア開発の技術を大きく発展させ、日本においても顧客ニーズに沿ったサービスを持続的に提供できる企業となりました。現在、ベトナム国内では、ソフトウエア技術のオープン化に伴い、これまで以上に若い学生が基盤ソフトウエア技術を習得する機会が増えています。いまやソフトウエア開発は、一部の企業だけが技術を占有する分野ではなくなりましたが、GAFAに代表される米国企業に大きく先行されているのも事実です。若くて優秀なベトナム人の勤勉さ、そして日本で培った高い品質をベースに、新技術分野のコンポーネントを用いてFPT発のパッケージ開発を続けていきます。そして、日本市場での拡販はもちろん、ソフトウエア開発の本場であるアメリカをはじめとした世界での事業展開を視野に、アジアをリードするIT企業として果たすべき使命をまっとうしてまいります。